「職務経験」「語学力」「学歴」が充分でない人でも海外勤務が実現できる手段として、
マレーシアには「MSCステータス企業への就職」という選択肢があります。
目次
MSCステータス企業とは
マレーシアを「東南アジアにおけるITハブ」とすることを目指し、先進各国からの関連企業の誘致を行うプログラムの一環として、クアラルンプール首都圏の一部地域を先進各国からの企業誘致を行う「マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)」と位置付けています。
マレーシア・デジタル・エコノミー公社(MDEC)という政府系企業が進出する企業に対し「MSCステータス」を付与しています。
MSC企業での仕事
カスタマーサービスを中心とするMSC企業であれば、英語が苦手でも就職できる。
主に、日本からの問い合わせに対応する仕事がメインになるため、日本で働く内容とさほど変わりはない職種もある。
MSC企業での主な職種
MSC企業での主な職種としては次のものがあります。
・オンライン旅行会社やクレジットカード会社などの顧客に対する案内や苦情処理などを電話で行う「コールセンター」
・大企業がコアビジネス以外の業務プロセスの一部を、外部の専門業者に委託する「BPO企業」
したがって、IT企業がBPOの受け皿(一般的にベンダーと呼ばれます)になるケースが多く、それをマレーシアが国の政策として引き受けるシステムを構築しているわけです。
BPOとは
Business Process Outsourcingの略で、日本語では単に「業務プロセスアウトソーシング」と称することもある。
BPOの活用領域としては、総務や経理、人事といった企業の運営部分の委託業務のほか、前述のコールセンターでの対応業務もBPOに含む。
新卒直後でも海外勤務が実現
MSC企業は外国人就労者に対するビザ発給枠の制限が基本的にありません。実際に、外国はもとより、日本での就労体験が未熟な人でも就職できているケースもあり、いわば「やる気次第でチャンスがつかみ取れる」ポジションと言えるかもしれません。
前述の通り、一般企業の就労ビザ規定とは異なり、出願者側の職歴や学歴、語学力、資格の有無といった条件が緩和されることが多いため、大学卒業直後に海外勤務を目指すことも可能です。
「就活中」のビザ申請は無理
大学の卒業証明書をビザ申請書に添付する必要があるため、日本の大学在学中に就労ビザを得ることは不可能。
MSC企業入社のための就職活動
ほとんどの求職者は、「現地まで面接を受けに行くのが困難」という状況でしょう。
そんな中、マレーシアにある人材紹介会社では、MSCステータス企業への就職斡旋を行なっています。
まずは該当職種をインターネット上で探した上で、人材紹介会社に連絡。履歴書など必要書類を送るなどすると、採用実現に向けての手続きが始まります。
併せて人材紹介会社との間で、電話やLINEやSkype経由で基本的なインタビューが行われます。
求人側との条件が合えば、企業の人事担当者とのネット上での面談がセッティングされる手順を踏みます。
MSCステータス企業就職後のキャリアアップ
BPO企業へまず入社し、一定の経験を積んだ後、希望の業種への転職を目指すこともキャリアの築き方としての一つの考え方ともいえる。
給与に関しては決して高くないのであくまで「海外での就業の経験蓄積の機会」と考えるべき。仕事そのものを通じてあるいは余暇時間などを使って英語を勉強したりしてスキルアップをはかっている人も多い。