日本人初のマレーシア代表を目指す5年目の今
マレーシアで活躍する日本人選手としては最長年のブルーノ鈴木選手。
シンガポールやJリーグでも活躍経験をもつ鈴木選手がなぜマレーシアを選んだのか、その経緯と今後について詳しくお伺いしました。
単独インタビュー
鈴木選手はシンガポールでもプレーされていたようですが、その後なぜマレーシアを選ばれたのですか?
経緯を教えてください。
シンガポール時代にお世話になった監督からマレーシアのオファーを貰ったので、来馬することとなりました。
FC岐阜の契約満了後はもう1度シンガポールに行こうかと考えていたのですが、その時タイミングよく声がかかりました。
マレーシアサッカー界には参入が難しいので、スカウトという形で入れた事は本当にラッキーだったと思っています。
シンガポールと比べて、マレーシアにはどのような違いがありますか?
外国人選手に対しての待遇面がとても良いです。
また、サッカーに対しての人気の高さも全然違います。
環境面でも、シンガポールは本ゲームのスタジアムで練習するのに対して、マレーシアでは練習場やクラブハウスがあるのでとても良いと思います。
私生活の面でも、低価格ながら品質の良い住環境や食事が手に入る点など、マレーシアの全てを気に入っています。
あと、シンガポールの選手は持久力がない人が多い印象でしたが、ローカル選手に走れる人が多い事も大きな違いだと感じています。
5年目のマレーシア生活はいかがですか?
すごく楽しいですし、生涯マレーシアで活躍したいと思うぐらいマレーシアは好きです。
条件面や環境面の良さもありますが、自分の中では「1年目に大きく活躍できたこと」が好きになったきっかけだと思っています。
入団してすぐの開幕戦にハットトリックを決め、その後7試合連続ゴールをすることが出来たので、1年目で一気にファンがついてくれました。
あの時、人生の自分の居場所を見つけたと感じました。
今のチームは警察が母体と聞きましたが、他のチームと比べてどんな特徴がありますか?
チームメイトの半分が警察官、半分がプロ選手で形成されています。
プロの選手以外が半分以上所属しているチームは、おそらくマレーシアで唯一だと思います。
勿論、警察官の方もプロとして契約してはいるのですが、彼らはサッカーをプレーしない時には普通に警察官の仕事をしています。
日本ではありえない事なので、よくびっくりされますね。移籍したばかりの時は、僕もよくわかりませんでした(笑)。
警察官の方も、若い時からサッカーをやってきている人なので、自分達プロ選手と同等に活躍されています。
今シーズンの調子はどうですか?
1月のMCOで練習時間がほとんどなく、2試合目で怪我をしてしまいました。
そこから7試合は出場することができず、90分フルに出場したのは3試合だけ。
ただ、出場数は少ないですが、1点はアシストすることが出来ましたし、自分が戻ってからは2試合勝つことができたので調子が良くなってきていると感じます。
自分が試合を引っ張っているという自負もありますので、残り5試合でも点を決めて昇格したいと考えています。
無観客試合が続いていますが、何か影響はありますか?
マレーシアの選手はシャイな方が多いので、無観客でもいいと思っている人が多い気がします。
自分は見られてやる気がでるタイプなので、モチベーションに大きく響いていますね。
ストライカーの人は自分みたいなタイプが多いと思います。
注目されればされるほど実力を発揮できるので、早く沢山のサポーターの方に応援してもらいたいですね。
外国人選手としてのプレッシャーはありますか?
チームが勝っている時や、個人的に調子が良いと感じている時は一切感じないです。
ストライカーとして期待されている事は「ゴール数」です。
勿論チームの勝敗を大きく担っているポジションなので、ゴールを決められない時期が続けばプレッシャーは感じます。
しかしその分、ゴールを決める事ができれば試合のヒーローになれますし、プレッシャーがあるからこそ達成感や楽しさを感じられると思っています。
今後の目標を教えて頂けますか?
マレーシア人として長く活躍することです。
マレーシアは5年で帰化できるので、今年がチャンスだと思ってます。帰化できれば、日本人初のマレーシア代表としてのワールドカップの可能性も見えてくると考えています。
また、外国人選手としてではなく、ローカル選手のポジションに立つことができれば、40歳になっても現役として活躍できる自信もあります。
1年でも多くグラウンドでサッカーを楽しみたいからこそ、1試合1試合を勝ち進み、帰化できるように頑張りたいと思っています。
最後にMTownの読者にメッセージをいただけますでしょうか?
ゴールをプレゼントするので、是非試合を見に来て下さい!
あと、試合中に「ブルーノ選手」って沢山声だして応援して下さい!
編集後記
マレーシアで活躍しているサッカー選手で唯一のフォワードの選手。
性格も「THE ストライカー」な方でゴールという結果で自分の価値を示していく重要性を終始笑顔で語ってもらいました。
「自分を出してくれたら試合に勝てる」と話してくれたブルーノ鈴木選手からは自信が溢れていて、貪欲に勝利を求めている姿勢を言葉から感じました。
ブルーノ鈴木選手の夢はマレーシア人国籍を取得しマレーシア代表になること。
近い将来国を背負って戦う姿を見るのを楽しみにしております。
ブルーノ鈴木
1990年5月20日生 (31歳)
ガンバ大阪ユース
2009.1- アルビレックス新潟
2009.7- FC町田ゼルビア
2009.12- アルビレックス新潟
2010- アルビレックス新潟シンガポール
2011- アルビレックス新潟
2013- アルビレックス新潟シンガポール
2014- Home United(シンガポール)
2015- Geylang International Football Club(シンガポール)
2016- FC岐阜
2017.1- Negeri Sembilan FA(マレーシア)
2017.12-2021.1 Terengganu Football Club II(マレーシア)
2021.1- Royal Malaysia Police FC(マレーシア)