日本に帰国せずマレーシアで出産する例があります。本書編集部が実際にクアラルンプールで出産したママさんから聞いた話をもとにまとめてみました。

出産前に行うこと

妊娠が分かったら、早めにクリニックもしくは現地病院の産婦人科医に罹るようにしましょう。
この時点ではまだ、出産をどこで行うかを決める必要はありません。
母子手帳(Mother’s Book)は、日本語・英語併記のものが、紀伊國屋書店(Surya KLCC店)で購入できます。
母子手帳には、妊娠中の検診の結果から、出産を経て、その後の予防接種の経過などを記録でき、かつ日本に戻ってからでも使えるので必ず手に入れておきましょう。
出産前の検診は一般的に、32週目、36週目に行い、37週目からは毎週行うこととなります。
32週目の検診の際に、担当医師から「日本に帰国するか、現地で出産するか」といった質問を受けた場合、「現地で出産する」と伝えれば、その後の段取りを教えてくれます。

航空会社規定による、旅行に際しての注意点

・旅行前に航空機旅行が可能かどうか主治医に必ず相談しましょう。
・出血・つわりなどの症状があったり、切迫流産、貧血、妊娠中毒症などの合併症があった場合は、担当の先生に相談しましょう。
・最も旅行に適しているのは、安定期である妊娠12週から28週頃までです。

なお、診断書が必要な妊婦の例として、出産予定日から28日(4週間)以内という条件以外に以下のようなものがあります。

・出産予定日がはっきりしない場合。
・双子以上の妊娠をされている方。
・早産の経験がある方。

また、出産予定日が14日以内の場合は産科医を同伴しないと飛行機に乗れません。

日本へ帰国し出産する場合

航空会社の規定で、「出産予定日から28日(4週間)以内に入っている場合(妊娠36週以降)」は、診断書の提出が必要です。
一方、マレーシアの医療機関では担当の産科医が紹介状やそれまでの検診データ、航空会社へのレターを用意してくれます。
なお、航空会社は妊婦に対する注意点を具体的に示していますので、それを読んでおくと参考になります。

出産に掛かる費用

日本語のケアなどを必要とせず、一般の市民と共に普通の公営病院で出産する場合と、プライベートの産婦人科医に掛かる場合とでは費用が大きく違います。
非常におおまかな目安ですが、公営病院の場合は「数万円」、プライベートでは「日本より高価」という水準です。
もっとも入院する部屋が4人部屋、2人部屋、個室といった違いで費用も変わりますし、普通分娩か、無痛分娩、帝王切開かによって負担額が違います。
また、通常は保証金を求められます。
なお、クレジットカードでの保証で済ませるケースも多く、必ずしも現金を預ける必要はありません。
公営病院の場合、出産後翌日には退院となります。
出産後の検診
出産後の母親には、産後の診察として「会陰切開の抜糸」「子宮の復古確認」などがあります。退院してから2度ほど診察に訪れることになります。

予防接種

赤ちゃんへの予防接種は、公営病院でも日本語対応のクリニックでも対応できる。これについての費用も大きく異なり、公営病院では0歳児に対しては無料で対応となる。

月子中心について

マレーシアには出産後の母親と赤ちゃんのケアサービスがある。中国語で「月子中心」、英語でConfinement Care Centre。
出産後から約1カ月間ほどの
期間のサービスで、センターへの入所や自宅へのスタッフの派遣がある。母親の体力回復向けと赤ちゃんの食事の用意や入浴などを行う。1カ月あたり3,000リンギ~。サービス内容によって金額は異なる。

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