マレーシアには日本語でケアが受けられるクリニックが複数あり、いざという時に頼りになります。

最初に症状を診るのは総合医

マレーシアの主要都市(クアラルンプールやペナン)には日本人在住者向けの日本語を使って診察するクリニックが複数設けられていますので、いざという時に頼りになります。

日本人が日常かかる風邪や胃腸炎といった症状だけでなく、糖尿病や高血圧といった慢性疾患についても日本人向けクリニックで対応できます。
これらの施設には、総合医(General Practice=GP)がおり、どんな病気であってもこの医師がまず診察します。総合医では解決できないような症状だと判断されれば、各科の専門医が対応するという手順を踏みます。

救急時の対応

交通事故など大きな事故や心臓発作といった緊急の救急時はまっすぐ総合病院に向かうことを考えましょう。あるいは、各クリニックとも協力病院を持っていますから、普段かかっている医師などに相談してみる方法もあります。

マレーシアの総合病院には、A&Eと呼ばれる緊急対応の病棟があり、これらの各病院から救急車が派遣されるかたちとなっています。しかしながら、一旦A&Eに到着した場合、症状によって治療の順番が振り分けられるシステムで、救急車で到着したから最優先で診察が受けられる形にはなっていません。ですので、緊急時にはタクシーや車でとりあえず早く病院にたどり着いたほうが良いといえます。

市販薬で様子を見る

「クリニックに行くほどではない軽微な症状」なら、薬局で売っている薬を飲んで様子を見てもよいでしょう。
マレーシアの各都市には、ガーディアン(Guardian)、ワトソンズ(Watson’s)といったファーマシーチェーンがあります。最近では日本ブランドの常備薬を見かけるようにもなりました。
なお、薬剤師がいるファーマシーなら、薬に関する相談もできます。

慢性疾患の薬の処方

高血圧や糖尿病など、慢性疾患を抱えた赴任者も少なくありません。日本の医療機関でもらえる薬の量は概ね2カ月分が限度ですから、数カ月にわたって帰国の予定がない場合、現地の医療機関で処方してもらうことになります。
この場合、注意したいのは「マレーシアには日本と全く同じ薬が無い」ということ。現地の医療機関に行き、医師の診断を受けた上、マレーシアの薬事法に沿った薬をもらうことになります。薬の名が違うと不安に感じる人もいるかもしれませんが、成分が同じか似通ったものが処方されるのが普通です。

熱帯特有の病気に注意する

熱帯であるマレーシアには、「デング熱」や「マラリア」「アメーバ赤痢」と、日本ではあまり馴染みがない伝染病が存在します。普段から蚊に刺されないよう予防したり、不衛生な場所での飲食を避けたり、食事の前やトイレの後の手洗いを励行しましょう。
「デング熱」は通年いつでも発生します。診療所で簡易診断が可能なほか、初期治療を適切に行えば重症になることはほとんどなく、1週間程度の入院が必要になるものの時間の経過で自然回復が期待できます。「アメーバ赤痢」は急激な下痢を発症するものではなく、慢性的な経過となります。
一方、「腸チフス」への注意はしっかり意識しましょう。感染したヒトの尿や便を媒介して他人に感染するもので、高熱が出たり腸出血を併発します。もし、これまでに体験したことがないような症状が出たら、早めに治療しましょう。治療が不完全だと、菌が体内に残り、慢性化する危険性もあります。なお、マレーシアでは腸チフスのワクチン接種ができます。

国保・健保による治療費の補填

海外在住中も引き続き日本の「健康保険証」を持っている人で、被保険者(本人)または被扶養者(家族)が海外の医療機関で治療や投薬を受けた場合、医療費の一部について補填を受けることができる。請求先は、各自治体の国民健康保険窓口または所属会社の健康保険組合となる。
ただし、補填額は日本で同等の治療をした場合の自己負担分を差し引いた金額となり、必ずしも海外で出費した金額に基づく計算にはならない。

駐在者保険などを使うことになったら

病気やケガなどで駐在者保険(海外旅行傷害保険)を使う事態になったら、まず罹る予定の医療機関に、どこの保険会社の保険を持っているかを説明し、キャッシュレスでの治療が可能かどうか相談すること。また、保険会社に連絡が必要になる時に備え、加入している保険会社の日本の連絡先をあらかじめ調べておくと良いだろう。保険各社は通常、マレーシアからのカスタマーホットラインを設けている。

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