AKI Hair Studio & Yu Nail + Eyelash Academie et salon Akiさん Yukiさん
特別インタビュー
マレーシア生活でも、やっぱりおしゃれには気を遣いたい!
そんな時、日本人が運営する美容サロンはとても心強い存在となります。
現地の美容事情について、マレーシアでの生活経験も長い専門家のお二人、美容師のAkiさん(写真左)とネイルスペシャリストのYukiさん(写真右)にお話を伺いました。

秋山将之(Aki)さん
三重県出身、2006年、美容室の従業員としてマレーシアへ。2010年にタイで”AKI”を開業、2012年にはクアラルンプールにも進出。
2016年、AKI×Yuとしてパワーアップしたサロンをモントキアラにリニューアルオープン。
海外で働く日本人スタイリストとして、10年を超える経験を持ち、マレーシアの多くの著名人に愛されるヘアスタイリストながら、日系美容メーカーのMILBONとLebeLの現地美容師向けセミナー講師としても東南アジアで活躍中。
中島由紀子(Yuki)さん
福岡県出身。幼少期から美しいものに心惹かれ、美の追求をすべく、ネイル、メイクアップ、エステの基礎学習をスタート。日本ネイリスト協会認定講師免許を取得後、ネイルを土台に海外に進出するきっかけを得て、シンガポールで海外ビジネスの経験を積み、2016年、AKI×Yuとしてモントキアラにネイルサロンをオープン。現在は美容に関わる最新商品開発にも携わり、オリジナルブランドアイテムも発表。
ワールドワイドな視点で様々な美容に触れ、「世界の美容を一つに」をモットーに一つの場所でトータルビューティーが叶うサロン作りを目指している。
目次
――最初にマレーシアに来た時、ローカルの人々の美容への意識についてどう感じましたか?
Akiさん:
2006年にマレーシアに初めて来たのですが、その頃は街中でメイクしてる人はほぼいなくて、ビーチサンダルに短パン、タンクトップのようなラフな格好で美容室に来るお客様がほとんどでした。
そこで、来店してくださるお客様に「自分にとって一番の服を着てヘアサロンに来てね」と伝えるところから、美容リテラシーの向上を志したんです。
Yukiさん:
私が約15年前に初めてマレーシアを訪れた頃は、マニキュアやペディキュアはそれなりにあったんですけど、ジェルはほぼ皆無。
模様も洗練されていなくて、絵の具でちょっと花を書くような感じでした。
紫に赤など、主張の強い色同士を組み合わせたような、今でこそ日本とは全く違う雰囲気のデザインを好まれていたんではないでしょうか。
Akiさん:
マレーシアの人々は、そのあと約10年ほどかけて『オシャレとは何か』を理解していったのではないでしょうか。
――マレーシアで「ヘアサロン」とはどんな存在なんでしょうか?
Akiさん:
かつてマレーシアで「外資系の美容室」といえば、若い女の子が銀行でお金をおろし、お金を握りしめて頑張って来るような、高いレベルの金額設定だったんです。
しかし今はもう、地元の人々も普通に外資のカフェでお茶を楽しんだりと、シャイニーな生活にお金をかけています。
以前の日本人美容師がいるサロンの存在は「日本人にカットしてもらったというだけで友達に自慢できるほどのブランド力」があったんです。
一方、いまでは技術を重視されるので、より顧客ご本人の希望を理解するためのコミュニケーションが大切となっています。
全体的な技術の底上げも進んでいて、マレーシア人美容師の技術も上がってきています。日本のメーカーが主催する世界大会で、マレーシア人が優勝するほどレベルが上がっていますね。
――マレーシアの「ネイル」の現状は?
Yukiさん:
まず、ネイルについて、マレーシアと日本とを比べた時、最も異なる点は「仕事の丁寧さ」です。
見た目としては美しく仕上がっていても、なぜこういった工程を挟まなければならないのか、なぜこうすると爪が傷んでしまうのか、といった理由や意味・理論を理解せずに仕事している人が多いな、という印象です。
一方で、マレーシア人スタッフの技術の習得はとても速いと感じます。
日本人が1年かかるところを3カ月で習得しますし、情熱もあるんです。
しっかりと基礎を教えれば、着実に技術は伸びていくと思いますね。
――ローカルスタッフの技術について、どう見ていますか?
Akiさん:
スタイリストらローカルスタッフを「どこまで育てるか」は美容サロン室経営の課題でしょう。
きちんと育てれば育てるほど独立してしまうんです。
そこで、今ではあまり人員を抱えないスタンスを取り、学ぶ意欲がありかつアシスタントとして優秀なスタッフを揃えて少数精鋭で運営しています。
さらに収益を上げる努力を惜しまず、スタッフへ積極的に還元しながら、しっかりと日本のスタイルを教育することで、結果としてスタッフの減少が抑えられています。
――今の美容業界のトレンドを、どうマレーシアで伝えているのでしょうか?
Akiさん:
積極的に日本のトレンドも取り入れています。コロナ禍でちょっと様子が変わっていますが、本来なら、日本に頻繁に帰って、講師をしている友達等に話を聞いたりします。
トレンドはどんどん変化して行きますが、使う薬剤・道具が変わるだけで、根本的な技術理論はほぼ変わりません。
最近の美容業界は「日本ではなく韓国が最先端」だとする意見もあるんです。
マレーシア人の間で韓国製品はとても人気があります。韓国メーカーはプロモーションがとても上手です。
ただ、商品に使われている香りを付ける成分をよく見ると、原料が今ひとつなことが少なくありません。
つまり、日本製の方が総じてクオリティが高いと言えますね。
Yukiさん:
当店では日本製品を使用しているのですが、ここ数年、韓国製品や中国製品のクオリティも上がってきましたね。
商品によっては日本製より韓国製が勝るものもありますが、基本的には美容理論を理解した日本人が扱うことによってその商品の真価を発揮するように思いますね。
Akiさん:
日本人スタイリストは基礎をしっかりと学んできています。
ですから、どのような道具であっても、どんなスタイルを要求されても対応できるフレキシブルさを持っているのではないでしょうか。
――マレーシアの美容業界の将来にどんな期待を持っていますか?
Akiさん&Yukiさん:
結論から言って、マレーシアの美容業界はまだまだ成長していくと思います。
スタッフ全員のリテラシーが上がれば、必ずやお客様個々のセンスも良くなっていきます。
日本のトップスタイリストがいきなりマレーシアに来ても、技術は高いかも知れませんが、地元顧客のニーズには対応しきれないのではないでしょうか。
ぼくは、既にマレーシアで長く暮らしていますから、地元の人々の今後の流行りをある程度予測できます。
また、好みにも合わせられるように、マレーシアの文化を理解しながら、現地で受け入れられるスタイルと日本のスタイルを融合させて新しい提案も進めています。
具体的には、『ゆるふわ=ボサボサ』のような価値観です。日本人の感覚のポイントとは異なります。
今後の目標はより地域の人々の間でしっかりと根付き、日本人だけでなく地元のみなさんにも着実に受け入れられるようなサロン作りを目指して行きたいです。
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