目次
海外移住希望国ランキングで13年連続第一位に選ばれるマレーシア。
気候や治安がよく、物価が安いこともあって、当地でセカンドライフを過ごす方は年々増加しています。
そこで、長期滞在ビザ(MM2H)を取得するメリットと、そのタイミングについて、STEP1 Malaysiaの中村直輝さんにお話を伺いました。
中村直輝
日本人向けのマレーシアでのワンストップでトータルサポートを提供するN.S.Vision Marketing Sdn. Bhd.を設立して社長を務める。
同社はMM2Hの手続きほか、移住サポート、会社設立、不動産や投資信託の資産運用、保険代理店、自動車の売買、遺言書の作成代行といったさまざまな業務を行っている。
MM2Hビザ申請エージェント250社中、第10位にもランクインされ、日系のエージェントとしては第1位を誇る。
中村氏は日系保険会社や銀行系投資信託の外務員の資格を所有しているほか、マレーシア金融証券協会の正規会員でもある。

――マレーシアに長期滞在するメリットは何でしょうか?
中村さん:
わかりやすいところだと物価の安さですね。日本と同じ程度の家賃でプール付きの広いコンドミニアムに住めますし、ゴルフのプレー代も日本の半額です。
また、これは見落とされがちですが、ここでは消費税以外の税金がかかりません。
つまり、日本で払っている所得税、市民税、健康保険などは、当地では支払う必要がありませんから、その分も生活費に回すことができるわけです。
よっぽどの贅沢をしない限り、日本よりも余裕のある生活が送れるのではないでしょうか。
定期預金に預けるだけでも3%前後の金利が付きますからね。
――当地での資産運用は可能ですか?
中村さん:
もちろんです。
そのために移住される方も多いんですよ。
日本では購入できない魅力的な金融商品も多数ありますし、当地では配当は非課税ですから、資産運用はしやすいと言えるでしょう。
加えて相続税や贈与税もかかりませんから資産分散先として利用されている方も増えています。
しかし、一時滞在では日本からの送金が困難ですから、やはり長期滞在ビザは不可欠です。
また当地で会社を設立する方も多く、株主配当を収入にしたり、飲食店のオーナー業をする方も。
一旦、日本でリタイアしても、こちらでセカンドチャレンジとして始める方もいらっしゃいますね。
――教育目的の移住も多いと聞きますが。
中村さん:
マレーシアはイギリス連邦の一員として英語教育を受けていますから、レベルの高いインター校も多いです。
しかもオーストラリアなどの英語圏で学ぶよりも学費や生活費が圧倒的に安いため、比較的ハードルが低いと言えます。
その際は、学校から発給される学生ビザを利用できますが、最近では名門校ほど簡単にビザを出さない。
その点でもご家族でMM2Hを取得された方が学校選びにも融通が効くと思います。
――では、MM2H取得のベストなタイミングはいつでしょうか。
中村さん:
ロングステイビザは世界中で見ると年々減少傾向にあります。
東南アジアではフィリピンやタイも発行していますが、フィリピンは治安の問題、タイは1年間のみの滞在ビザのため、更新手続きが面倒。
そのため、マレーシアが人気となってしまうのですが、今後、MM2Hの取得条件が変わる可能性が高く、しかも、その内容が緩くなることは考えづらいのです。
やはり「取れるうちに取っておく」のがベストですね。
―申請条件が変更されたのですか?
中村さん:
申請条件の大筋自体は以前から変更されてはいませんが、細かな部分で非常に重要な改定が行われています。
一つ目は源泉徴収証や納税証明書が収入証明書として使用出来なくなり、代りに給与明細書及び給与が入金されている銀行の通帳コピーの提出が必要です。
二つ目は収入や資産の証明をご夫婦申請の場合は合算出来ますが、その割合が以前は明確にされていませんでしたが、現在は主申請者様の割合が70%以上あるという規定が明確にされています。
三つ目は資産証明書に使用できるのは現金預金などとされ、有価証券等は一部の不足分にしか使用できない様になりましたので、注意が必要です。
その他では、写真の背景色は水色のみが使用できるなど、数多くの点が改定されています。
―取得までに時間が掛かると聞きましたが?
中村さん:
2018年5月にマレーシア建国以来初めて政権交代が行われたと共に、役所内の組織改編作業が着手されました。
それに伴いMM2Hビザの主幹監督庁が観光省から内務省に移管したことで、その期間中(2018年5月~2019年1月)は申請の審査会議がストップしており、仮承認レターの発行が滞っていました。
2019年2月より審査会議が再開されました。
手始めに、審査保留だった2018年度の申請分約4000組について、特別処理チームを編成して7月末までに全ての審査会議を終えるべく取り組みが開始されています。
上記の背景から、現在申請からMM2Hビザ取得まで1年程度の時間が掛かっていますので、お時間に余裕をもって申請されることをお薦め致します。
MM2Hを取得して4年目の森永夫妻のお話
テレビ番組がきっかけでマレーシアに興味をもちはじめ、中村さんを通じてMM2Hを2014年8月に取得しました。
マレーシアは人がやさしく、また食事がおいしい。
気候もよく、ゴルフも十分楽しめます。
年に2回は日本に帰りますが、昨年のゴルフプレー回数は197回。
週4日午前中はゴルフで、9ホールのハーフを2時間あまりで終わらせていました。
午後はのんびりとしています。
マレーシアに来て実際に感じたことは、「人に対して幸せにするシステムが充実している」こと。
本当に来てよかったので、娘にもMM2Hを取らせました。