マレーシアは様々な観点から長期滞在をするのに適した国といえます。
外国人のための長期滞在ビザ「MM2H」は海外暮らしの実現に大きく貢献しています。

長期滞在に適した国・マレーシア

日本のロングステイ財団による調査「ロングステイ希望先ランキング」でマレーシアは13年間連続で1位になっています。
住環境は日本と比較して安価で良質ですし、食事のバラエティーが豊富で日本料理も普及、平易な英語が通じ、かつ親日的な人々も多いといった背景があり、「日本人にとって優しい国」と言えます。

MM2Hの概要

MM2H(Malaysia My Second Home)とは、マレーシア政府により推進されている外国籍の人向けの長期滞在ビザ発給プログラムのことです。
もともとは退職者向けのビザプログラムという傾向がありますが、制度的には年齢や宗教上の制限などはなく、経済面での申請条件をクリアできれば誰でも取得することができます。

「退職後にゆとりある生活を海外で送りたい」という要望を持つ人々の人気が高いMM2Hですが、最近ではマレーシアでの資産形成や節税対策などのため、30〜50代の方の申請も増えています。

マレーシア政府観光局のMM2H案内

以下のウェブサイトにマレーシア政府観光局による日本語のMM2H案内がある。
マレーシア政府観光局

MM2Hビザは個人で申請も可能

MM2Hビザの申請を個人で行う人も少なくない。
しかし、書類の作成などの手間を考えると、代理店へ依頼した方が何かと心強い。

申請時の「現地入りの回数」を減らすには

MM2Hビザ申請を手掛ける代理店の中には、マレーシア国内の銀行に設ける自身名義の定期預金口座の開設までの手続きを遠隔で引き受けてくれるところもある。
こういった代理店に手続きを依頼すると現地への渡航は1度だけで済む。

MM2Hプログラムの特徴

MM2Hプログラムの特徴は以下の通りです。
・10年間の滞在許可がもらえる

MM2Hの取得により10年間の滞在許可がもらえます。
・10年ごとの更新ができる

MM2Hを一度取得した後は、10年ごとに更新が可能です。
入国管理局に都度申請は必要ですが、更新を繰り返すことで「永住権」に近い効力が得られます。
・家族の帯同も可能

MM2Hを取得した後、配偶者と21歳未満の未婚の子供、60歳以上の両親を帯同させることができます。
・年金に対する税金が非課税

マレーシアでは国外源泉収入に課税されません。
日本で支給される年金をマレーシアで受け取ると所得税がかかりません(諸条件があります)
・銀行口座を開設でき、定期預金の利子に対する税金が免除

MM2Hの取得に併せ、銀行口座を開設できます。また、定期預金の利子に対して非課税です。
・マレーシア内で投資ができる

マレーシアには相続税や贈与税がありません(外国籍者には諸条件あり)。
銀行の利息と同じく配当益に関して非課税です。
さらにマレーシアには、日本では考えられないような高配当の金融商品もあります。

MM2Hにマレーシア滞在の義務なし

MM2Hビザに「年間で何日間居住する義務」といった規定はない。
取得後に必ずしもマレーシアに滞在する必要はない。

本人名義での住宅購入も可能

本人名義で住宅を購入することができる(ただし、最低購入金額は地区によって異なっている)。

MM2Hビザの申請手順

MM2Hビザの申請は「書類申請」と「本申請」の2段階から成ります。
第1段階の「書類申請」は書類審査で、主に申請者の資産と収入状況がチェックされます。
この段階では申請者がマレーシアを訪問する必要はありません。
第2段階の「本申請」の際は申請者がマレーシアへ訪問、ビザを受領します。

申請者の年齢によってクリアすべき必要条件が異なります。
詳細は以下の通りです。
なお、本申請の際、事前に健康診断を受けた上で、医療保険の加入が必要です。
ただし、60歳以上の申請者は医療保険の加入は免除されます。

・申請者が50歳未満の場合
「50万リンギ以上の資産証明」および「月額1万リンギ以上の収入証明」

・申請者が 50歳以上の場合
「35万リンギ以上の資産証明」および「月額1万リンギ以上の収入証明または年金証明」
資産証明を取る際の「資産」には銀行預金、有価証券を含みますが、不動産を含めることはできません。
有価証券を資産として算入する場合は、時価評価額が分かる英文証明書を用意してください。
また、預金残高証明は、申請時からさかのぼり3カ月間の各月、規定額以上が預金されていることが条件です。
なお、配偶者名義の預金残高も合算可能です。

ビザ取得後の預金管理

MM2Hビザ取得時にはマレーシア内にある銀行に規定額の定期預金を作る必要がありますが、ビザ取得から2年目以降に、マレーシア政府が定める条件に該当する場合、この定期預金の一定額を解約することができます。

・MM2H用定期預金の保有と解約
MM2H用定期預金は、MM2Hビザを保有する限りは、解約ができない。
一部解約やビザキャンセルに伴う口座解約にも、MM2Hセンターの承認レターが必要となる。

・マレーシアでの不動産購入
マレーシア国内の不動産物件購入資金に当てる場合。
外国人が購入できる不動産物件は100万リンギ以上(地域によって異なる)と定められている。
一括購入でもローン購入でも定期預金の解約が可能となっている。

・マレーシアでの教育費
マレーシアで子女が通う学校に納める授業料として使う場合。

・マレーシアでの医療費
マレーシア内にある病院で申請者および副申請者が治療等を受けた際の医療費に当てる場合。

・マレーシア国内での新車購入費
一括購入でもローン購入でも定期預金解約は可能だが、中古車購入には使えない。

代理店を通じたMM2H申請手続きの例

マレーシアにある代理店を通じた「MM2Hビザ申請手続き」の流れは概ね次の通りになっています。

1.申請者による申込み
代理店から渡される履歴書書面の作成、契約書の締結、申請代行費用の支払いを済ませる。
その間に、申請者は必要な各種証明書を取得する。
証明書や必要書類が全て揃ったらそれら一式を現地代理店まで郵便局のEMS(国際スピード郵便)などで郵送する。

2,代理店での書類作成
申請者からの書類を受け取った代理店は、申請書類の作成、関係書類の英訳、認証作業、MM2Hセンターへ申請書類を提出した上で、仮承認レターを取得する。
通常は、代理店が申請書類を提出してから6カ月でMM2Hセンターから審査の通過を証明する「仮承認レター」が発給される。

3.本申請手続き
「仮承認レター」の発行後、6カ月以内に申請者はマレーシアで本申請手続きを行う。
本申請は基本的に1日で完了する。
申請手続き終了がビザが発給される。
ただ、稀にMM2Hセンターでシステムダウンが起きることがあり、その際はビザ取得ができない場合がある。

4.そのほか
仮承認レター交付後、6カ月以内に申請者全員がマレーシアへ渡航し、本申請手続きを行う必要がある。
もしも、家族揃って、マレーシアへの渡航する事が難しい場合、主申請者だけでも6カ月以内に本申請手続きを行えば、帯同者は任意のタイミングでビザ取得が可能。

本申請時にやるべきこと

マレーシアに本申請で赴いた際、以下の手続きも併せて行う。
・定期預金の作成
マレーシア国内の銀行で、自身名義の定期預金口座を開設。
ここへビザ取得に必要な最低金額以上を預けた上で、銀行から証明書を取得する。
・健康診断書の取得
問診程度の簡単な健康診断を受けた上で、診断書を受領する。
・医療保険の加入
マレーシア国内で有効な医療保険に加入し、その証明書を取得する。
ただし、60歳以上の申請では医療保険加入が免除されている。
・移民局での本申請手続き
上記書類とパスポートを持参して、移民局にて本申請手続きを行う。
・申請料の支払い
入国管理局でビザ発行費用(1年当たり90リンギ×パスポート残存年数)+シングルエントリービザ費用500リンギを支払う。

定期預金解約の対象にできる支払いの処理

解約の対象となるのは既に支払い済み(購入済み)のものに限る。
そのため、領収書など関係書類の提出が必要となるので、大切に保管すること。

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