日々の暮らしで金融機関を利用する機会が頻繁にあるでしょう。ATMやカードの取り扱い方法も併せて覚えておきましょう。
目次
マレーシアの金融機関
マレーシアには地場と外資の商業銀行があり、マレーシア中央銀行(BNM)が認めているのは以下の26行です。
1.Affin Bank Berhad
2.Alliance Bank Malaysia Berhad
3.AmBank (M) Berhad
4.BNP Paribas Malaysia Berhad
5.Bangkok Bank Berhad
6.Bank of America Malaysia Berhad
7.Bank of China (Malaysia) Berhad
8.CIMB Bank Berhad
9.China Construction Bank (Malaysia) Berhad
10.Citibank Berhad
11.Deutsche Bank (Malaysia) Berhad
12.HSBC Bank Malaysia Berhad
13.Hong Leong Bank Berhad
14.India International Bank (Malaysia) Berhad
15.Industrial and Commercial Bank of China (Malaysia) Berhad
16.J.P. Morgan Chase Bank Berhad
17.MUFG Bank (Malaysia) Berhad
18.Malayan Banking Berhad
19.Mizuho Bank (Malaysia) Berhad
20.OCBC Bank (Malaysia) Berhad
21.Public Bank Berhad
22.RHB Bank Berhad
23.Standard Chartered Bank Malaysia Berhad
24.Sumitomo Mitsui Banking Corporation Malaysia Berhad
25.The Bank of Nova Scotia Berhad
26.United Overseas Bank (Malaysia) Bhd.
イスラム銀行とは
イスラム銀行はシャリーア(イスラム法)に則って運営される銀行のこと。利子がないことや投機的行為の禁止、酒や豚肉などイスラム教徒にとって禁じられている物品を使用したり、取引したりすることを禁止するなどの特徴がある。マレーシア国内では多くの商業銀行の一部門としてイスラム金融を取り扱っている例がある。
シャリーアでは「お金の貸し借りで利子を課したり得たりすることは禁止」しているため、イスラム金融を扱う銀行は「物品の売買価格の差額」や「リース料」、「配当金」を組み合わせて利益をあげている。また、「有形資産での取引」は認められる一方で、ヘッジファンドや先物取引といった金融システムはシャリーアでは認められていない。
個人口座の開設
マレーシア国内の金融機関で個人口座を開設できる人は雇用パスなど正式な長期滞在ビザを持っている人に限ります。
短期滞在者による口座開設はできません。
就労する外国人は基本的に、所属会社の取引銀行での口座開設が義務付けられています。
開設する際は銀行にある所定の申請書に必要事項を記入するほか、パスポート、雇用パスなどの身分証明に関わるもの、そして口座に預けるお金を持参します。
なお、細かい開設条件は各銀行各支店によって若干異なるため、詳細は口座を開く予定の店舗で詳しく尋ねましょう。
口座を開設すると、チップ入りのキャッシュカードが渡されます。一部銀行では非接触式ICカードの「タッチ&ゴー」付きのカードだったり、デビットカードにもなるカードが渡されることもあります。
また、ネットバンキングを利用するかなども尋ねられますので、その有無を伝えましょう。
ちなみに、キャッシュカードに記載されているカード番号(たいていは16桁)は通常、口座番号とは異なります。
クレジットカードやデビットカードの取得
各銀行ではビザやマスターカードなどのクレジットカードや各銀行のデビットカードを発行しており、基本的に現地で就労している人が申請できます。
クレジットカードを申請する際はパスポートの写しや数カ月分の給与明細、就労ビザの写し、雇用契約書など雇用を確認できる書類などを提出します。
金融機関などに置かれたATM
マレーシアの銀行は現金自動預払機(ATM)を各地に設置しています。銀行のほか、商業施設やガソリンスタンドにもあります。利用可能時間は基本的に24時間で、早朝・夜間割増手数料は存在しません。
各金融機関がそれぞれ自社のATMを置いており、自身の口座がある銀行のATMからお金を引き出す場合には手数料がかかりませんが、他行のATMを利用した場合は一定の手数料がかかります。
また、商業施設などにはどの銀行の口座からも引き出せる「MEPS」というATMが設置されています。
こちらは国内のほとんどの銀行からお金を引き出せますが、取引手数料として基本的に1回につき1.06リンギ(銀行により異なる)が課金されます。
現金引き出し用の機械以外に、それと異なる機械が設置されていることがあります。
日本では1台のATM機でさまざまな機能がついていますが、マレーシアでは機能ごとに機械が分かれています。
「Cash Deposit」は現金の入金や振込ができる機械で、「Cheque Deposit」は小切手の預け入れで使う機械です。
一部の銀行には小切手投函箱も設置されています。
パスポートを更新したら
パスポートを更新し、番号が変更になった場合、必ず速やかに口座を保有している銀行の支店で手続きをすること。
変更する場合は旧パスポートと新パスポートの両方を持参して手続きする必要がある。
コンタクトレス決済も徐々に浸透
コンタクトレス機能が付いたクレジットカードやデビットカードがマレーシアでも徐々に広まって来た。
一定金額内の買い物なら、暗証番号不要でレジ横の専用端末にかざすだけで決済できるシステムで、マレーシアではビザのpayWaveが実用化されている。
また、政府のキャッシュレス政策で採用された「スマホ決済サービス」には、「Grab」「Touch’N’Go」「Boost」の3種類がある。
オンラインバンキングについて
公共料金やeコマースの支払いのほか、企業間の振込などの金融取引はいまやオンラインを通じて行うのが一般的になっています。
口座開設の際にオンラインバンキングの手続きも併せて行っておくと良いでしょう。
スマートフォン上で銀行を利用することを「モバイル・バンキング」(Mobile banking)といいます。
各行はスマートフォンで送金などの取引ができる独自のアプリを配布しています。アプリによっては口座へのログイン時に指紋のほか、利用者の顔や声で認証する方法を取っており、不正ログイン対策も強化しています。
また、マレーシアではQRコードを使ったモバイル決済サービスが導入されています。
これは日本のPayPayなどと同様、スマホの画面に現れるQRコードを店頭にある端末にかざすと支払いができるものです。
一部の金融機関ではスマートフォン上で海外送金ができるサービスも導入しています。
各行はモバイルアプリ上でいかに簡単に使え、多くのサービスを提供できるかにしのぎを削っています。
日本で発行されたカードを使う
日本の金融機関で発行されたクレジットカードやデビットカードをマレーシアでの支払いの際に使うこともできます。
ただし、使用した場合のお金の引き落としは自身が保有している日本国内の口座から行われますから、カード会社の決済時に十分な残高があるかどうかを気にする必要があります。
日本発行のカードによる決済での為替レートですが、通常は中間値プラス3%程度です。
つまり、日本円現金をリンギに両替して使う時とほぼ同様のレートと考えて良いでしょう。
また、ATMでのキャッシングも可能です。マレーシア国内にあるATMを使ってお金を引き出せます。
クレジットカードによるキャッシングの場合は前述の為替レートに起因する差損の他、各カード会社が一定の金利を加えて利用者に対し請求して来ます。
一方、デビットカードを使う場合、即時決済されますが、通常は100〜200円程度の手数料がチャージされるほか、「為替調整」といって金融機関が後日、若干の細かいレートの調整分を差し引いたり、差益分が返金されたりします。
詳しいことは日本側の金融機関にお尋ねください。