Q 「ヘイズ」とはどんなもの?
A 東南アジアでは、数年に何回か大規模な大気汚染が起こります。呼吸器系の病気を持つ人には難敵です。
隣国の森林火災が主原因
乾季の時期に発生
2019年9月、4年ぶりに「ヘイズ」の発生がニュースになりました。
学校が休校になったり、航空機が欠航したりしました。
ヘイズ(煙害)とはインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島の焼畑農業や森林火災が原因で起こる大気汚染のことです。
クアラルンプールを含む東海岸や東マレーシアでは、乾季の4月から10月にかけて発生することがあります。
窓の外が白っぽく霞んだようになったり、昼間なのに薄暗い感じがしたり、ひどい時は焦げ臭い匂いを感じる人もいます。
ヘイズに注意が必要な時には「大気汚染指数(API)」が発表されます。


さまざまな健康被害も
適切な対策グッズの用意を
ヘイズの原因となる大気中の粒子状物質はさまざまな健康被害をもたらします。
ヘイズによる健康への影響としては、次のようなものがあります。
・上気道感染
・肺機能の低下
・目や皮膚の刺激
喘息など呼吸器系の疾患、持病がある人は特に注意が必要です。
日本では感じたことのない環境の変化で、小さなお子さんが突然熱を出したり、苦しいと言い出したりといったことも起こります。
もともと呼吸器疾患および心臓疾患を持つ人は、ヘイズ曝露による健康への悪影響を最も受けやすいと考えられます。
曇りがひどい状態で、外出する場合は「N95」などの適切な防塵マスクを着用してください。
そのほかの対策としては外出を控える、窓の開け閉めをしない、うがい、空気洗浄機の設置などが挙げられます。
マレーシアの保健省は,API指数が101(不健康)を超えたら「屋外での活動を見合わせるよう推奨」しています。
ヘイズ発生中の予防措置
ヘイズの発生期間中は、次の予防措置を講じてご自身を守ってください。
・居住地もしくは出勤先、出張先など、今いる地域の大気質のデータ(つまりAPI)更新状況に注意してください。
その時々に応じた推奨される予防策は、通常、最新の状況に基づいた勧告として告知されます。
・野外活動、特に屋外スポーツは避けてください。子供、妊婦、高齢者、および慢性疾患、特に心臓および呼吸器疾患を抱える人々はAPIが100を超えた際には屋内にとどまるべきです。また、健康な成人でも不必要な野外活動を避けるようにしましょう。
・外気が入る可能性のある窓、ドア、開口部をすべて閉じます。エアコンと空気清浄機を使うのも良いでしょう。
・よりたくさんの水分を取るよう心がけるほか、新鮮な果物や野菜の摂取量を増やしましょう。皮膚や肺から吸収された毒素を洗い流すのを助け、免疫システムを改善します。
・塩水を使ってうがいする、鼻腔内をきれいにするために生理食塩水点鼻スプレーを使用する、
・既応症、特に心臓病や呼吸器疾患を抱える方は、定期的に薬を服用してください。
・咳、鼻水、のどの痛み、発疹、赤目、頭痛などの症状がある場合は、医師に相談してください。
(情報提供:ひばりクリニック)
在日本大使館のヘイズ注意喚起の例
2019年秋に掲載されたマレーシア在日本大使館のヘイズ発生に伴う注意喚起のページを参考にしてください。