大規模プラントや社会インフラの電気設備の設計施工を手がける富士古河E&Cのマレーシア現地法人代表としてクアラルンプールに赴任された弥生英明氏。
着任とほぼ同時期に資本参加した現地電気設備工事会社との統合がこのたび完了し、日系企業から地場企業まで幅広く対応できる会社として新たな一歩を踏み出した。
事業再編後に目指す方向性や期待について、お話を伺ってみた。

弥生英明氏
弥生代表の略歴をお聞かせください
日本で在籍している会社は「富士古河E&C」といって、富士電機と古河電工の子会社同士の企業再編で生まれた会社で、来年でちょうど創立100周年を迎えます。
私自身は、1990年に富士電機傘下の旧富士電機工事に入社し、電力会社、JRなどの鉄道会社や鉄鋼メーカー、石油化学メーカーを中心に特別高圧の変電設備や、プラント設備の電気計装工事に携わってきました。
2010年にはタイに赴任し、主に日系の自動車関連メーカーのお仕事を中心に工場の電気設備全般を手掛けてきました。
私自身の得意分野は、電力用変電所やプラント電気設備に関する設計、施工管理です。
マレーシアへは2018年に赴任しました。
日本で在籍している会社がマレーシアで石油・化学・ガス分野に強いJMPという会社へ資本参加したタイミングで、タイからクアラルンプールへ赴任してきました。
マレーシアでのミッション・課題と現地企業への資本参加の決断理由を教えてください
もともとこちらでは、2010年に設立された富士古河E&C(マレーシア)という現地法人があり、日系企業を主な顧客として実績を積んできました。
マレーシアに進出されている日系企業とのお仕事で培った経験はあるのですが、地場企業や日系以外の外資企業に向けたビジネス展開を目指すためには「思い切った手を打つ必要があるのではないか?」との議論がありました。
そうした中、地場産業向けビジネスを展開しているJMPと知り合ったのです。
我々が東南アジア各国で培ってきたノウハウと、JMPのマレーシア市場でのノウハウを融合することで互いを補完し合える関係を見い出すことができたことから、2018年3月にJMPへの資本参加に至りました。
資本参加後、富士古河E&C(マレーシア)とJMPの2社体制のまま運営が進んでいましたが、このたび事業統合及び社名変更といった事業再編に関わる手続きが完了したことを受け、2022年1月より『FFJMP社』として新たなスタートを切ることとなりました。
新会社名は、「富士古河E&C」を意味する『FF』と、当地で知名度の高い『JMP』を融合させ『FFJMP社』としています。
事業再編による今後の展望を教えてください
私たち富士古河E&C(マレーシア)は従前から日系企業の皆様向けにお仕事させていただいてきました。
一方、マレーシアで豊富な経験を持つJMPは、日系企業のみならず、地元大手企業の顧客に対する電気設備工事にも取組んでいます。
この2社が持つそれぞれの長所を生かし、顧客の皆さんのさまざまなご要望にお応えするとともに、日系の品質による施工やサービスを現地価格で提供できる体制を整えました。
日系顧客には日系品質を現地価格で、また地元企業には現地価格で日系品質を、さらにはこれからマレーシアに進出する欧米系の新規顧客にはその両方をご提供することで事業の拡大を目指していきたいです。
民間設備工事から公共案件まで幅広いニーズに対応できる会社として、私たちFFJMPが「マレーシアのインフラを支える企業」としてこの国の発展に貢献していきたいですね。

具体的に展開を進めたいお仕事はどんなものがありますか
我々の強みは、電機メーカー直系の電気設備工事会社であるため、長年の経験からの固有技術をたくさん有していることです。
親会社である富士電機や古河電工と連携した再生可能エネルギーの技術提案や、省エネ活動などを広く展開していきたいと考えています。
マレーシアと日本の関わり合いで言うと、今年2022年は、マハティール元首相が掲げた「ルックイースト(東方政策)」から40年の節目となります。
同氏の呼びかけの後、日本から多くのメーカーがマレーシアに拠点を構えたわけです。
その頃、出て来られた企業様の設備は設置から既に30年以上が経過し、安定した操業が難しいとか、漏電のリスクがあるとか、何らかの不具合があるとか、そういったお話をよくお伺いします。
事故を未然に防ぐためにも、私たちは既存の設備に対する“安全・リスク診断”を実施しております。
「現状を知り、リスクを知る」、そして「対策を講じる」ことは企業経営上、重要ではないでしょうか。
既に顧客としてお付き合いさせていただいている皆さんの間でも、改めて診断のご依頼を頂いた結果、リスクヘッジが不十分な箇所が顕在化するケースもあります。
進出済みの企業様も含めた皆さんの「設備、機器の更新」のお手伝いができることを期待しています。
設備、機器の更新をめぐっては、昨今注目されている「再生可能エネルギーの利用や効率化」「持続可能なシステムの構築」「DXの導入」など様々な観点で見直しが必要な時代に差し掛かっています。
SDGsが叫ばれる中、「環境に優しく、人に優しい設備や機器への更新」といったテーマについて、マレーシア拠点から現地発信の形で日本にある本社への提案として広がっていくような動きを期待しています。
コロナ禍から脱しつつあるマレーシアへの期待はいかがですか
世界的な半導体不足の中、設備投資が活発なマレーシアは、製造拠点としての存在感がますます高まっています。
まずは、マレーシアが「アフターコロナ」の下、他国よりも早い復興を後押しする政策が打ち出されることを望んでいます。
こうした動きが広がれば、外国からの投資の復活にもつながるでしょう。
特に日系企業によるマレーシアへの新規進出、既存企業の設備投資に期待しています。
私たちは「もっと最適に。もっと快適を。」のキャッチコピーの下、安全性と品質の高い工事やサービスを提供してきました。
当地で電気設備等の工事を検討される方がおられたら、そうした皆さんと共に一緒になって“最適”で“快適”な設備を提供していきたいです。
FFJMPについての詳しい情報は公式サイトへ!
FFJMP SDN. BHD.
E-10-12, Blok E, Pusat Perdagangan Phileo Damansara 1, No.9, Jalan 16/11, Off Jalan Damansara, 46350 Petaling Jaya, Selangor
TEL:03-7612-5138
事業内容: 電気設備工事/電気計装工事/空調・給排水衛生設備工事/情報通信設備工事/建築工事/付帯関連する一切の事業