マレーシアに住む主要3民族ごとに異なる宗教行事があり、祝日もそれぞれに設定されています。州によって「金土曜日が週末」というところもあります。
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宗教によって異なる節日
マレーシアに住む、マレー系、中華系、インド系それぞれの人々は異なる時期に宗教行事を催します。これらの時期には経済活動が一時的に止まることを念頭に入れてスケジュールなどを組みましょう。
・イスラム教の節日
イスラム教徒(ムスリム)の人々にとって、最も大きな宗教行事は「ラマダン(断食)」明けの「ハリラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)」のお祭りです。
イスラム暦の10月1日に当たるこの日、人々はモスクに行き「ハリラヤの祈り」を捧げ、その後、伝統的なお菓子「クエ」を食べます。断食明けの連休には一斉に人々が旅行に出かけるため、交通機関は国内外行き共に混み合います。
・中華系の人々は旧正月を祝う
中華系の人々である華人のお正月はいわゆる旧暦元旦(Lunar New Year)に祝います。マレーシアの中華系の人々は「Yee Sang(魚生)」という刺身を含む旧正月の縁起料理を食べますが、これは中国本土や香港にはない習慣です。
日本の初詣と同様、中国寺院に参拝に行く人も大勢います。既婚者は独身者に、「紅包(アンパオ)、あるいは利是(ライシー)とも」と呼ばれるお年玉を渡します。
旧正月にはマレーシアだけでなく中華圏一円の経済活動が停止するので注意が必要です。
・ヒンドゥー教の正月
インド系のヒンドゥー教徒は「ディーパバリ(Deepavali)」というお正月を祝います。ヒンドゥー暦6月(新暦の10~11月頃)にやって来るもので、主教クリシュナが悪神ナラカスラを討ち取ったという伝説から「光の祭典」とも呼ばれます。この時期になると、ショッピングモールやホテルのロビーなどに、色づけをしたお米で描かれた、繊細で美しい砂絵が床に展示されます。
5州は金土曜が週末
イスラム教徒が多い、ジョホール、クランタン、トレンガヌ、ペルリスとクダの5州は金曜と土曜が週末となる。これらの州では、政府官公庁が休みとなるだけでなく、一般企業もこれにのっとるところが多い。
州によって異なる祝日
マレーシアでは、国全体が休日となる祝日の他に、州ごとの祝日もある。国内出張などの際には、祝日カレンダーをしっかり確認すること。
マレーシアの気候傾向
マレーシアは赤道に近く、熱帯雨林気候に属している。このため、年間の平均気温は27℃で、1年を通じて温暖だ。日本のような四季はなく、シーズンは乾季と雨季に分かれる。マレー半島東海岸やボルネオ島は10~3月が雨季、マレー半島の西海岸では3~4月と10~11月が雨季で、それ以外の月は乾季。雨季といっても毎日数時間にわたって雨が降る程度だが、ここ近年は異常気象のせいか、一日中雨が降ることも珍しくない。